ROA(総資産利益率)が超重要な理由とは?

会社を経営する中で、財務分析は非常に大切です。経営の改善ポイントを見つけるために行うため、会社にとっては健康診断のようなものと言えます。

 

経営者の皆様は、自社の財務分析を行うときにどの指標をチェックしていますか?
私が最も重視している指標の一つがROA(総資産利益率)です。

 

ROAを重視している理由はいくつかあります。

まず、「会社が持っている資産を使ってどれくらいの利益を稼いだか」という指標なので、

業種や業態に大きく左右されないという特徴があること。これに対して、粗利益率や営業利益率は業種や業態によって目安となる値が変わってきます。

またROAの計算式は、分母が総資産(B/S指標)で、分子が利益(P/L指標)なので、ROAをチェックすればB/SとP/Lを両方見ることができるメリットもあります。

 

コンサルティングの現場では、お客様の会社のROAを毎年計算して、年間でどれくらい値を改善していくか目標を立てています。理想は8%以上にしていくのが望ましいですが、少しずつでも改善していければOKです。

改善方法としてはROAを分母(総資産)と分子(経常利益)に分けて考えます。分母の総資産は、現金以外の資産をいかに圧縮するかがポイントです。例えば、遊んでいる固定資産を処分するといった施策が考えられます。分子の経常利益は、売上を上げる、変動費を下げる、固定費を下げるといった施策が考えられます。

これらの施策を年間のアクションプランに落とし込み、毎月進捗を確認していきます。ROAを圧縮するための施策が行動に落とし込まれているため、これを地道にやっていけば1年後にはROAが改善するというわけです。

 

財務分析をするとつい一喜一憂してしまうものですが、重要なのは「経営をよりよくするためにはどうすればよいか?」という着眼点を持ちながら分析するということです。ROAは中長期的な指標として大いに活用できますので、ぜひチェックしてみてくださいね。