銀行員に聞いた決算書の着眼点
(株)ソウルスウェットカンパニーの仲光です。
昨日とあるきっかけで、地方銀行の責任者クラスの方お二人に
色々とお話を伺う機会がありました。
その中で特に興味深かったことについてお話ししますね。
決算書はまず何から確認しますか?
企業の決算書を見るとき、銀行員さんは何から見てると思いますか?
今回お話を聞くことが出来たお二人とも同じ答えでした。
ここで言う決算書とは、
貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を指します。
いわゆる「黒字」「赤字」を確認するのは、損益計算書ですね。
1年間の経営成績を表したものと言えます。
もう一つの貸借対照表は、ある一時点の財務状況、
つまり現預金や固定資産、借金などがどれくらいあるのかを
表していると言えます。
では本題に戻ります。
冒頭の銀行員さんお二人の答えはどうだったのかと言うと、
まずは
貸借対照表
から見るとのことでした。
それがなぜかというと、色々な視点で
お話されていましたが、一言で言うと
その会社の経営資源が何で
どうやって商売しているかが分かる
からということでした。
貸借対照表はお金の「集め方」と「使い道」
超簡単にですが、貸借対照表の構造を説明すると、
貸借対照表は左半分(借方(かりかた)って呼び名)の合計と
右半分(貸方(かしかた)って呼び名)の合計が
一致するという特徴、大前提があります。
右半分(貸方)は「負債」と「純資産(自己資本)」で構成され
その会社が仕事をするためにどのようにしてお金を集めたかが書いてあって
左半分(借方)の「資産」はその集めたお金の使い道が書いてあるので
必然的に左右の合計は一致します。
使い道って言っても、集めた現金をそのまま現金(または銀行預金)として
保管している状態も含んでいます。
借方には
「その会社が何にお金を使ってきたか」
「どんな設備や機械を持ってるのか」
「在庫はどれくらいあるのか」
といった情報が詰まっていて、
貸方には
「すぐに返さないといけない借金はどれくらいあるのか」
「時間をかけて返す借金はどれくらいあるのか」
「返済不要なお金(自己資本)はどれくらいあるのか」
といった情報が記載されています。
貸借対照表には創業からの歴史が詰まってる
もうひとつB/Sには大きなポイントがあります。
それは貸方の「純資産」の部に記載されている
「繰越利益剰余金」
という項目です。
ここには、その会社のこれまでの利益や赤字、
累積された数字が記載されています。
会社を立ち上げてこれまで積み上げたものが
数字として表現されているという訳です。
つまり貸借対照表を確認することで
「どうやってお金を集めたか」
「それを何に使ったのか」
「それが会社の数字にどれだけ貢献してきたのか」
がわかるってことなんです。
黒字か赤字かももちろん大事だけど
冒頭の銀行員さんお二人が貸借対照表から見るというのは、
その会社がどうやってお金を集めて
何にお金を使っているかを確認して
どんな商売をしているのか、
その結果どれだけお金を生み出しているか
を把握しているってことなんです。
もちろん手元に現預金がいくらあるのかという安全性や
損益計算書を見て、黒字や赤字の原因も確認してるはずです。
損益計算書は会社が赤字か黒字かがはっきり書いてあって、
理解しやすい面はありますが、
あくまでのその1年間の
頑張りの結果にしかすぎません。
貸借対照表はとっつきにくい部分があると思いますが、
担当の銀行員さんはきっと見てますし、
とっても重要な書類なんです。
今回のブログをきっかけに、
何となくでも貸借対照表を
身近に感じて頂ければうれしいです。
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