営業すると赤字が増えてしまう?!

(株)ソウルスウェットカンパニーの仲光です。

最近はコロナウィルス感染拡大防止から、
自宅で時間を過ごす方が多いと思います。

そんな中、よくニュースで目にするインタビュー映像があります。

「家賃の支払いがあるんで店閉めるわけにはいかないんですよね・・」

飲食店の店長さんへインタビューした時に、
よく耳にする回答です。

これは「家賃の支払いがあるから、少しでも稼がないといけない」
という意味だと思います。

もちろん少しでも売上をという気持ちはよく分かります。

ですが、
「営業する方がむしろ赤字が増えてしまう場合がある」
ということを、皆さんご存じでしょうか。

これから説明していきますね。

1.居酒屋A

ある居酒屋Aの昨年3月の売上や費用は下記の通りでした。

  1. 売上:100
  2. 変動費(食材仕入):40
  3. 粗利益:60(=100-40)
  4. 固定費:50
  5. 利益:10(=60-50)

見慣れない言葉もあるかと思いますので簡単に説明します。

  1. 売上:商品やサービスを売って得たお金です
  2. 変動費:売上数量に応じて変化する費用。飲食店だと食材の仕入など。
  3. 粗利益:売上から変動費を引いた正味の収入。
    (※この場合、「粗利益」より「限界利益」が正しい表現ですが、比較的なじみのある「粗利」を使います)
  4. 固定費:売上の増減に関係なく、常に一定額発生する費用。お店の家賃など。
  5. 利益:売上から総費用(変動費+固定費)を引いたもの

 

数字の羅列だとピンとこないと思いますので、
「お金のブロックパズル」で表してみます。

ちなみに「お金のブロックパズル」とは、
西順一郎氏の「MQ会計」をベースに、
私が所属する日本キャッシュフローコーチ協会代表理事の
和仁達也さんが考案された、お金の流れをビジュアル化したツールです。

以下は、その超簡略版です。

「箱の高さ」が数字の大きさを表していて、
それぞれの数字の大きさや全体に占める割合が
ビジュアルで見やすく表現されていると思います。

これがコロナウィルスの影響を受ける前、
去年の3月の状況とします。

2.外出自粛により売上が大幅減

3月下旬になると、コロナウィルスの感染拡大防止のために外出自粛となり、
ランチ営業をしていなかった飲食店Aは
飲み会キャンセルにより来店客が減り、売上が「30」にまで大幅に減少します。

なので、この状況でも来てくれる貴重なお客さんには満足してもらいたく
すべてのメニューに対応するための食材は揃えています。
(極端ですが変動費は全く変わらないとします。)

  1. 売上:30
  2. 変動費(食材仕入):40
  3. 粗利益:▲10(=30-40)
  4. 固定費:50
  5. 利益:▲60(=▲10-50)

お客さんの数が激減したことで赤字になってしまいました。

これをブロックパズルで表現してみます。

1年前のブロックパズルに比べ、すいぶん形がいびつですが
正味の収入である粗利益がそもそも赤字の状態になってます。

 

この居酒屋A、お客さんが激減する中苦労に苦労を重ね、
なんとか「30」という売上を確保しました。

「これでなんとか家賃の足しにできる」と一安心の店長。

 

ではここで問題です。

この居酒屋Aは家賃を捻出するため、このまま営業を続けていくべきなのでしょうか。

3.粗利益と固定費

先ほどの問題の答えは、

「このまま営業を続けてはいけない」

が正解です。

 

その理由は、

「粗利益がマイナスになっている」

からです。

 

仮にこの居酒屋Aが休業したとします。

すると数字はこのように変化します。

  1. 売上:0
  2. 変動費(食材仕入):0
  3. 粗利益:0(=0-0)
  4. 固定費:50
  5. 利益:▲50(=0-50)

 

営業を続けた場合のブロックパズル
もう一度貼り付けてみますね。

最後に残る「利益」の数字を見比べてみていかがでしょうか?

 

そうです。

休業した方が赤字額が少ないんです。

営業しても休業しても赤字である以上は
手元のお金は減り続けます。

今回の例の場合は、
休業した方がお金の減り方が少ない
という状態になるわけです。

 

あ、もちろん、粗利益がマイナスになったら即休業
という訳ではありません。

当然変動費(食材仕入)を減らす工夫はすると思いますし、
アルバイトさんに勤務シフトに入る回数を減らしてもらうなどの
対策も検討するはずだからです。

 

ですが一度考えて頂きたいのは、

『仮に休業したら、お店(会社)のお金がどう変化するのか』

ということです。

休業となると、普段一定額発生している固定費の中からも
削減できるものがあると思いますし、となるとその分赤字額を
減らすことも出来ます。

 

検討の結果、休業するとしてもそれは

「事業撤退」

ではなく

「戦略的休業」

です。

 

来るべき再開の日にパワーアップして帰ってくるための
筋トレ期間と考えてください。

 

この先行きの見えない状況の中、
経営者の皆さんは、営業自粛要請などの社会的事情、
会社の資金繰りや従業員さんの生活のことなど
気の休まる暇が全くないと思います。

そんな中ではありますが、
会社の現状を一度冷静に振り返って頂く
きっかけになれば幸いです。

※国のコロナウィルス対策融資等の情報はこちら
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

 

最後になりますが、休業に関する判断や
売上減の影響、コスト削減の効果を
俯瞰して理解するためには
「会社のお金の流れ」を把握しておくことが必要です。

毎月の試算表や決算書を細かく理解する必要はありません。

財務の知識としては2割ほど理解することで、
全体像を把握することは可能です。

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