展示会で新たなビジネスチャンスを! その②
ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
中小企業診断士の米澤智子です。
公的機関の職員として働く、企業内診断士の目線から
経営者の皆様に役立つ情報をお届けいたします。
今回は、前回に続き展示会出展で
新たなビジネスチャンスを掴む方法を解説します。
1.【当日編】ムリな声かけは逆効果!
展示会にはたくさんの来場者が訪れます。
見込み客を1人でも獲得するため、通路を通る来場者には
すべてに声かけをしなければ!と思われている方も多いのではないでしょうか。
実は、これは逆効果です。
無差別に声をかけるのは、時間のムダともいえます。
ある程度来場者が絞り込まれた展示会でも、
必ず「見込み客になりえない人」が歩いているためです。
では、展示会での来場者対応はどのようにすればよいのでしょうか?
①質問をされるまで待ってみる
展示会の来場者は、なにかしら「展示会に来た目的」を持っています。
ブースの展示内容に対して興味があれば、来場者から質問をしてきます。
それまで待ってみましょう。
私が展示会出展をご支援した際、
支援先の社員さんは、最初は通行人すべてに声かけをしていました。
しかし、通行人全てが、自社製品(サービス)へのニーズを
もっているわけではありません。
時間が経つにつれ、社員さんは積極的な声かけをやめ
来場者からの質問を待つようになりました。
その結果、その分ニーズが見込めるお客様と
内容の濃い商談をすることができたのです。
②「声をかけてほしい」という雰囲気を出している人に声かけをしてみる
「質問されるまで待ってみる」ことは、
「これでいいの?」と不安な部分もあるかもしれません。
次のような行動をしている人がいたら、
「今日はどのような目的で展示会に来られたのですか?」と
さり気なくニーズ調査をしてみましょう。
「声をかけてほしい」という雰囲気をだしている人は
・パンフレットを手に取り、読んでいる
・ブースの説明パネルを立ち止まって読んでいる
このような人です。
そもそも自社に「興味をもってもらう」には、
ブースに置くパンフレットやパネルで、
製品・サービスの内容が短時間でわかるような工夫をすることが求められます。
このため、展示会ブースデザインの経験が豊富なデザイナーに
依頼することも一つの方法です。
2.【事後編】ランクに応じて、すぐ手を打つ!
①名刺は即座に仕分ける
展示会では数多くの名刺を交換します。
そのすべてに同じように対応していては、
重要な見込み客にすばやくアクションをとることができません。
その場の顧客の反応に応じて、ランク分けをしましょう。
例えば、以下のようなランク分けの基準があります。
S・・・発注を検討している
A・・・ニーズが見込める、積極的な反応
B・・・訪問までは前向きでない、そのうちでよい
C・・・ニーズが合わない
基準については、各社の状況に応じて決めましょう。
ポイントは、後日ランク分け作業をすることがないように、
展示会当日に仕分けを済ませておくことです。
来場者アンケートを回収している場合は、
アンケートと名刺をホチキスでとめ
クリアファイルにランク別に仕分ける、という方法もあります。
②ITツールを活用する
近年はスキャナーの性能が向上し、複数の名刺を短時間で読みこむことができます。
読み込んだ名刺をsansanやeightといった名刺管理サービスとつなげることで
効率的に名刺をデータ化することができます。
このようなITツール・サービスの利用も検討してみましょう。
③ニーズは熱いうちに!
私が展示会にいった際、「詳しい話を聞きたい」と思ったブースがいくつかあり
名刺交換をしました。
しかし、その後の対応には各社で大きな開きがありました。
・展示会当日または翌日にアポメールを送ってきた会社
そのメールにすぐ返信し、面談日時を決めることができました。
すぐに商談アポのメールを頂いた会社は、
弊社の事業内容や課題点をよく調べていただいており
初回の打ち合わせから、金額も含めた具体的なご提案をいただきました。
・展示会の3~4日後にアポメールを送ってきた会社
当日または翌日にアポメールを送ってきた会社のアポで予定が埋まってしまったので
実際に会えたのは3週間後になってしまいました。
・展示会の1週間後にメールを送ってきた会社
展示会で何を話したのかもう忘れているので、ゴミ箱行きです。
展示会運営はとても忙しいですが、速やかなアポイントやフォローが
有益な顧客獲得につながります。
ニーズが高いと見込まれる顧客には、すぐ手をうちましょう。
2回に渡り、展示会の効果や運営方法について解説しました。
私の支援先では、数多くの展示会にでることでノウハウがたまり
新規顧客獲得につなげています。
なにより、社員が自ら顧客と会話をし、ニーズや反応を聞くことで
その後の新製品改良に活かしている支援先もあります。
展示会は出会いを広げるチャンスです。
ぜひ、展示会出展を検討してはいかがでしょうか。