展示会で新たなビジネスチャンスを! その①
ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
中小企業診断士の米澤智子です。
公的機関の職員として働く、企業内診断士の目線から
経営者の皆様に役立つ情報をお届けいたします。
現在、私は支援先の展示会出展をご支援していますが
展示会に出展されたことで、新たなビジネスチャンスを得た支援先を
たくさん見てきました。
しかし、展示会はただ「出展する」だけでは
そのメリットは生まれません。
1.展示会はビジネスチャンスの宝庫
中小企業が展示会に出展するメリットは次の3つです。
①新規顧客獲得
1社1社個別訪問するよりも、多くの企業と出会える機会になります。
営業の人員が限られる中小企業にとっては、効率的に営業活動ができる場です。
②新たなビジネスチャンスの発見
展示会出展は、むしろこの2点目が中小企業にとって有効だと私は感じます。
周辺に出展している同業他社の動向を見ることができるだけでなく、
ブースに訪れた顧客の意見を聞くことで、新たなニーズ獲得の機会になります。
展示会で得たニーズを製品に反映させ、新たな市場を切り開いた企業さんが
たくさんいらっしゃいます。
③従業員教育
展示会に出展することで、自社の製品を効果的にアピールする方法が身につきます。
したがって、展示会を若手社員の教育の場として捉えている企業さんもいらっしゃいます。
②に通じますが、自社製品に対するニーズを直接顧客から伺うことで
社員の視野も広がり、モチベーション向上につながるという効果も期待できます。
2.展示会費用は補助金・助成金が利用できる
しかし、展示会出展は費用がかかります。
- 出展コマ料
- ブースの装飾費
- 展示会会場に製品等を運ぶ運搬費用
- 展示会当日を運営する人件費
……代表的なものだけでも、これだけあります。
公的機関では、展示会出展に利用できる様々な補助金・助成金を用意しています。
ぜひ利用しましょう。
代表的な補助金・助成金をご紹介します。
①小規模事業者持続化補助金
小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みを支援するものです。
※今年度の募集は終了
補助率:2/3
上限:50万
参考HP:https://h30.jizokukahojokin.info/(商工会議所管轄の事業所向け)
②販路拡大助成事業(東京都中小企業振興公社)
東京都内に事業所を有する中小企業が利用できる助成金です。
売上が前期と比較し減少しているなど、申請条件があります。
東京都内の事業者の方は利用しやすい助成金です。
補助率:小規模企業者=2/3以内、その他中小企業者=1/2以内
上限:150万
参考HP
http://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/hankaku.html
他、各自治体で補助金制度がある場合があります。
海外展示会に特化したものもあります。
これらの補助金・助成金は、前払いではなく「後払い」です。
展示会が終わった後、報告書などを提出し、
検査を受けることで補助金・助成金が振り込まれます。
従って、発生する費用は前払いです。
時々、補助金・助成金に採択されたらすぐお金が振り込まれると
思われている方がいらっしゃいますので、注意しましょう。
3.成功する展示会出展は入念な準備がカギ
なにも準備せず、展示会でブースを出すだけでは、
費用をかけてまで展示会にでる意味はありません。
展示会で成功している企業さんは、入念な事前準備をされています。
①展示会出展目的の整理
そもそも、なぜ展示会に出展するのでしょうか?
- 本格的な量産に入る前の、モニタリング出展
- 量産体制が整ったあとの、本格的な販路開拓
- 既存製品を新たな市場へ打ち出す
このように、目的は会社によって様々です。
この目的に合致した展示会を選択しなければ、
来場者ニーズと合致しないことがあります。
②既存顧客や見込み顧客への事前営業
ある新製品を開発した計測機器メーカーの事例です。
ほぼ新製品が完成し、本格的な販路開拓に結びつけるために
展示会出展を決めました。
その製品は、既存顧客のニーズを反映した、
より作業が効率的になる計測器です。
そこで、既存顧客や見込み顧客を洗い出し、
「展示会で新製品を発表するので、ぜひ見に来てください!」
と入念な事前営業をしました。
展示会当日は、事前営業をしたお客様が多数来場され、
新製品の性能を実際に説明しながら、
顧客満足度の高い営業につなげることができました。
また、展示会では営業担当者だけなく、
社長自らも毎日ブースで営業をしますので
成約に向けた細かい商談もすることができます。
結果、展示会で大型案件を受託することができ、工場は大忙しになりました。
展示会にただでるだけでは、ブースを前を通り過ぎる人が
簡単に足を止めてくれるわけではありません。
見込み客に事前にPRし、実際に製品を見てもらうことで
成約により近づく場が、展示会なのです。
次回は、展示会当日の運営からアフターフォローまで、順を追って詳しく解説します。